今回は、重複組合せの考え方について解説していきたいと思います。
重複組合せの考え方
重複組合せとは、順番を考慮せず、同じものを繰り返し取り出しても良いことを許した組合せのことです。組合せ \( {}_n \mathrm{C}_r \) では、異なる \(n\) 個のものから、異なる \(r\) 個のものを取り出しましたが、重複組合せでは、異なる \(n\) 個のものから、同じものを繰り返し取り出しても良いことを許し、\(r\) 個取りだす組合せになります。組合せですから、順番は考慮しません。
重複順列と混同しないように注意しましょう。重複順列は、順列ですので、順序も考える必要がありますが、重複組合せは、組合せなので、順序は考慮しません。
仕切りを入れて考える
次の例題を考えてみましょう。
りんご、みかん、なしの3種類の果物が店頭にたくさんある。6個の果物を買うとき、何通りの買い方があるか。ただし、買わない果物があっても良いものとする。
重複組合せでは、果物の個数分だけ◯(マル)をおき、果物の変わり目に|(仕切り)を並べて考えます。今回は果物の個数は6個なので、◯の個数は6つです。果物は3種類なので、果物の種類の変わり目は2つとなるため、|は2つとなります。あとは◯と|について、同じものを含む順列で考え、一番左がりんご、真ん中がみかん、一番左がなしとして割り当てて考えれば、りんご、みかん、なしの買い方に対応させて考えることができます。
たとえば、◯と|を
◯◯◯|◯◯|◯
と配置した場合、りんご3個、みかん2個、なし1個と対応させて考えることができます。
同様に、
◯|◯◯◯|◯◯ ↔︎ りんご1個、みかん3個、なし2個
◯◯||◯◯◯◯ ↔︎ りんご2個、みかん0個、なし4個
◯◯◯◯◯◯|| ↔︎ りんご6個、みかん0個、なし0個
と対応させて考えることができます。よって、買い方の総数は◯と|の同じものを含む順列として考えることができるので、求める答えは
\( {}_8 \mathrm{C}_2 = 28 \) (通り)となります。
以上のように、重複組合せは図と対応させて考えます。
例題と演習
では、例題を見ていきます。
例題:重複組合せ
(1)1,2,3,4,5の5個の数字から3個を選ぶ重複組合せの総数は何通りあるか。
(2)区別のない6個の玉をA,B,Cの3箱に分ける方法は何通りあるか。ただし、空箱があっても良いものとする。
方針
(1)3個の◯と4個の|による順列で考える。
(2)6個の◯と2個の|による順列で考える。
(1)3個の◯と4個の|による順列の総数に帰着されるので、
\( {}_7 \mathrm{C}_4 = 35 \)(通り)
(2)6個の◯と2個の|による順列の総数に帰着されるので、
\( {}_8 \mathrm{C}_2 = 28 \)(通り)
演習:重複組合せ
(1)A,B,Cから5個を選ぶ重複組合せの総数は何通りあるか。
(2)区別のない6個の玉をA,B,C,Dの4箱に分ける方法は何通りあるか。ただし、空箱があっても良いものとする。
おわりに
以上が重複組合せの考え方になります。重複組合せの一番難しいところは、重複組合せの問題を重複組合せと気づくことです。このことについては次の次の記事で扱います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。