群数列の解き方やコツについて例題を用いながら徹底解説します!
群数列の解き方・コツ
数列の典型的な入試頻出問題の一つとして、群数列の問題が挙げられます。群数列の問題は苦手にしている受験生が多いですが、群数列の問題で問われることは決まっているため、コツを掴めば結構解くことができると思います。
群数列とは
数列をある規則によって組(群)に分けて考えるとき、この数列のことを群数列といいます。例えば、次の数列を見てください。
1,1,2,1,2,3,1,2,3,4,1 ……
この数列は、次のように分けると、組(群)の中が規則的に並んでいることがわかります。
1(第1群)|1,2(第2群)|1,2,3(第3群)|1,2,3,4(第4群)|1 ……
このような数列のことを群数列と呼びます。
実際には、群数列は、入試問題において分数で登場することがです。
$$ \frac{1}{2},\frac{1}{3},\frac{2}{3},\frac{1}{4},\frac{2}{4},\frac{3}{4},\frac{1}{5},\frac{2}{5},\frac{3}{5},\frac{4}{5},\frac{1}{6},… $$
この数列も次のように分けると、組(群)の中が規則的に並んでいることがわかります。
$$ \frac{1}{2} \left |\frac{1}{3},\frac{2}{3} \right |\frac{1}{4},\frac{2}{4},\frac{3}{4} \left |\frac{1}{5},\frac{2}{5},\frac{3}{5},\frac{4}{5} \right|\frac{1}{6},… $$
群数列で問われること
群数列の問題で問われることはほぼ決まっています。群数列で問われる問いは主に次の3つです。
群数列で問われる問い
① ○が第何項か求める問題
② 第△項の値を求める問題
③ 初項から第×項までの和を求める問題
③の派生系で初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_n\) が×以上となる最小の \(n\) を求める問題、×以下となる最大の \(n\) を求める問題などもありますが、③ができればできるので、まずは、上の①〜③の問題を解けるようになることが大切です。
群数列の解き方
群数列の解き方を見ていきます。上の①〜③それぞれ次のように解いていきます。
① ○が第何項か求める問題
規則性を見つけ、群の最後の項の項数を基準にして数える
② 第△項の値を求める問題
規則性を見つけ、群の最後の項の項数を基準にして求める
(数が大きい場合は)だいたいで探してから正確に探す
③ 初項から第×項までの和を求める問題
群の和の和を利用する
①、②タイプの問題では、群の最後の項に着目して解いていきます。群数列は、群の最後の項は規則性が現れるので、群の最後の項に着目して解いていくのがポイントになります。
③タイプの和を求める問題では、一旦、群の和を求めた上で、さらに和を求めることで解くことができます。
例題と演習
では、例題を見ていくことにしましょう。
例題:群数列
次のような第 \(n\) 群が1,2,…,\(n\) からなる群数列を考える。
1,1,2,1,2,3,1,2,3,4,1 ……
(1)初めて10が現れるのは第何項か。
(2)第100項目を求めよ。
(3)初項から第100項目までの和を求めよ。
方針
まず、群数列の規則性を考える。
1(第1群)|1,2(第2群)|1,2,3(第3群)|1,2,3,4(第4群)|1 ……
すると、第 \(n\) 群の最後の項が \(n\) であることに気づく。また、第 \(n\) 群内の項数は \(n\) 個です。
(1)規則性を見つけ、群の最後の項の項数を基準にして数えます。 \(n\) が初めて登場するのは、第 \(n\) 群の一番最後の項である。また、第 \(n\) 群内の項数は \(n\) 個であることため、第 \(n\) 群の最後の項は最初から数えて第 \( \displaystyle \sum^{n}_{k=1} k \) 項目です。このことを利用して求めます。
(2)規則性を見つけ、群の最後の項の項数を基準にして求めます。第 \(n\) 群の最後の項は最初から数えて第 \( \displaystyle \sum^{n}_{k=1} k \) 項目であることを利用し、\( \displaystyle \sum^{n}_{k=1} k =100 \) を立式し、だいたいで数えます。その後に、正確に数えていきます。
(3)第 \(n\) 群内の和の和を計算し、求めます。
1(第1群)|1,2(第2群)|1,2,3(第3群)|1,2,3,4(第4群)|1 ……
(1)上のような群数列として考えると、初めて10は現れるのは、第10群の10番目である。よって、
\begin{eqnarray*} \displaystyle \sum^{n}_{k=1} 10 &=& \frac{1}{2}・10・11 \\
&=& 55
\end{eqnarray*}
したがって、10は第55項目である。
(2)第 \(n\) 群の最後で、第100項に近い項を探す。
$$ \displaystyle \sum^{n}_{k=1} k = \frac{1}{2}n(n+1) $$
から、
\begin{eqnarray*} \frac{1}{2}n(n+1) & ≒& 100 \\
n(n+1) & ≒ & 200 \\
n^2 & ≒ & 200
\end{eqnarray*}
\(14^2=196\) より、第100項目は第14群付近に存在する。
第14群の最後の項は
$$ \frac{1}{2}・14・15 = 105 $$
第13群の最後の項は
$$ \frac{1}{2}・13・14 = 91 $$
よって、第100項目は第13群の最後の項から9個後ろにある。
13(第13群)|1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14(第14群)|1, ……
したがって、第100項目は9である。
(3)求める和は
\( \displaystyle \sum^{13}_{k=1}\) (\(n\) 群内の和)\(+(1+2+3+4+5+6+7+8+9) \)
である。ここで、\(n\) 群内の和は次のように求められる。
$$ \displaystyle \sum^{n}_{k=1} k = \frac{1}{2}n(n+1) $$
よって、
\begin{eqnarray*} \displaystyle \sum^{13}_{k=1} \frac{1}{2}k(k+1) +44 &=& \frac{1}{2} \sum^{13}_{k=1} (k^2+k) +45 \\
& =& \frac{1}{2} \left ( \frac{1}{6}・13・14・27+\frac{1}{2}・13・14 \right )+45 \\
&=& 500
\end{eqnarray*}
したがって、初項から第100項目までの和は500である。
演習:群数列
次の数列に対して、以下の問いに答えよ。
$$ \frac{1}{2},\frac{1}{3},\frac{2}{3},\frac{1}{4},\frac{2}{4},\frac{3}{4},\frac{1}{5},\frac{2}{5},\frac{3}{5},\frac{4}{5},\frac{1}{6},…… $$
(1)\( \displaystyle \frac{78}{99} \) は第何項か。
(2)第100項を求めよ。
(3)初項から第100項までの和を求めよ。
おわりに
以上が、群数列の解き方でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。